
ご存じですか?「2025 年問題」
終戦後の1947年から1949年にかけて、わが国には第一次ベビーブームが起きて、約800万人の赤ちゃんが生まれました。その頃生まれた赤ちゃんは、2020年の東京オリンピックの5年後に75歳以上の後期高齢者になります。ベビーブーム世代が後期高齢者になり、高齢者人口が約3500万人に達する2025年を、厚生労働省は「2025年問題」と呼んで対策を急いでいます。
私たちの住む地域社会は
将来人口推計によると、長野市の総人口は2010年以後30年間に約8万人(約2割)の減少が見込まれ、2040年の総人口は約30万人になるとされています。その一方で、それまでに65歳以上の高齢者人口の割合は3万人ほど増加して、総人口の4割弱を占めるようになると考えられています。このように、私たちの住む地域社会も、着実に少子高齢・人口減少社会に変容していきます。
これからの医療は「地域完結型」 地域総力を結集して対応
高齢者をきめ細かくフォローするためには、開業医・かかりつけ医の果たす役割が大きくなります。そして長野市民病院のような病院は、それらかかりつけ医を支援する病院(「地域医療支援病院」といいます。)として、手術や緊急入院等を必要とするような高度急性期・急性期疾患を中心に担当します。退院後はリハビリを専門とする病院や、療養を得意とする病院、介護施設、訪問看護ステーション等の施設と緊密に連携・連絡を取りあって患者さんの早期快復と社会復帰を図ります。
このように、地域医療機関が総力を挙げて対処する「地域完結型医療」が、これから求められる医療の姿です。


かかりつけ医の一次的役割と重要性
厚生労働省が、患者さんはかかりつけ医でまず診療を受け、必要に応じて大きな病院に行くという仕組みを定着させようとしています。かかりつけ医をもっていると、次のようにメリットがたくさんあります。
- 1.継続的な付き合いで病歴を把握してもらえます。
- 2.検査や薬の管理も原則として一つの医療機関で行うため、重複を避けることができます。
- 3.高度な検査・治療が必要なときは、速やかに専門病院を紹介してもらえます。
- 4.家族全員の健康管理もまかせられます。
- 5.複数の病気をもつ患者さんも、総合的に診てもらえます。
- 6.ご近所にあれば、通院やご家族の負担も軽くなります。
- 7.いざという時に、往診や訪問看護をしてもらえる医療機関もあります。
かかりつけ医、どう選ぶ?
では、どのようにかかりつけ医を見つければよいでしょうか。
まずはご自宅や職場の近くに診療所がないかどうか確認してみましょう。ご近所だと、生活習慣病等で定期的な通院が必要なときや急病の際に助かります。
さらに、医師はもちろん、看護師などのスタッフが患者さんの話をじっくり聴いてくれて、それに対してわかりやすく説明してくれるかという点も重要です。積極的にコミュニケーションを図ろうとする医療機関は、薬の飲み方を含めて適切に教えてくれるでしょう。また、より専門的な治療が必要だと判断したとき、適切な医療機関を速やかに紹介してもらえるかも確認しましょう。
医師との相性も大切な要素ですので、まずは第一印象で好感がもてるかで判断するのも一つの方法でしょう。