
2026/07/07
長野市民病院ではこのたび、転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する新しい治療法「放射性リガンド療法(プルヴィクト治療)」を東北信地域で初めて開始しました。
この治療は、全身に広がった前立腺がん病変を選択的に治療できる新しい治療です。
これにより、これまで遠方の医療機関で治療を受けていた患者さんにも、地域で治療を受けられる選択肢が加わり、通院やご家族の負担軽減が期待されます。
放射性リガンド療法は、PSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的とした放射性医薬品を用いる治療です。
PSMA PET検査(前立腺がん細胞に多くある目印を画像化する検査)で前立腺がんの広がりが確認され、ホルモン治療が効きにくくなった患者さんに対し、プルヴィクト®を投与し、がん細胞を狙って治療します。
PSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的とした放射性医薬品
PSMAを持つ前立腺がん細胞に集まり、ルテチウム177(Lu-177) という放射性物質から出る放射線によって、がん細胞を狙って治療する

放射性リガンド治療(プルヴィクト静注治療)については、詳しくはこちらのパンフレットをご覧ください。
これまで東北信地域の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんは、県外または県内遠方の医療機関で治療を受ける必要がありました。
今回、当院で本治療が実施可能となったことで、患者さんやご家族の通院・移動などの負担軽減につながるとともに、地域での新たな治療の選択肢を提供できるようになりました。
今後も、患者さんの状態を確認しながら安全に治療を行い、地域医療機関と連携して前立腺がん患者さんへ質の高い医療を提供してまいります。
本治療は放射線管理区域内で実施し、患者さんの安全はもちろん、医療従事者への放射線防護にも十分配慮しています。
また、泌尿器科、放射線治療科、看護部、診療放射線科の多職種が連携し、適応判定から治療、退院後のフォローまで一貫した診療体制を整えています。
当院では、前立腺がんに対してロボット支援手術をはじめ、ラルスや密封小線源治療など、実施施設が限られる治療にも対応しています。
今回の放射性リガンド療法の導入により、前立腺がんに対する治療の選択肢がさらに広がりました。今後は神経内分泌腫瘍に対するルタテラ®(Lu-177 DOTATATE)治療への適用を予定しており、放射性リガンド療法のさらなる充実をめざしています。
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