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乳腺外科

当科の特徴および診療内容

特色

乳がんを中心に乳腺疾患の治療を行い、他に甲状腺疾患も取り扱っています。
乳がん手術は乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検が主流になり、入院期間の短縮や手術後の痛みの軽減につながっています。

乳がんの治療法について

治療の基本は手術で、胸筋温存乳房切除術(以下、乳房切除術)もしくは乳房温存手術を実施しています。

乳房温存手術について

乳房温存手術は、乳房そのものの大きさに左右されますが、乳房温存療法ガイドラインに則りしこりの大きさが4cm以下で、乳頭から2cm以上離れていた場合に適応とし、乳房円状部分切除術が主体です。
また、化学療法を先行して縮小させて行うこともあります。
   Point 先に抗がん剤を使って乳房温存手術を行うこともできます。

 
手術後の放射線療法について

乳房温存手術後には、原則として放射線治療を5〜6週間行いますが、外来通院で行い、放射線による皮膚炎(個人差があります)やまれに肺炎が起こりますが、放射線治療科医の定期的な診察のもとで安全に実施されています。
   Point 放射線療法は安全に行われます。

 
乳房再建について

乳房再建は形成外科に依頼しています。
乳房切除と同時に行いますが、乳房切除から数年して行うこともあります。
お腹の皮膚、脂肪、筋肉(腹直筋皮弁)を用いて再建することが多いため、手術後5〜7日は床上安静が必要で、入院期間は通常の乳房切除と比較して長くなります。
再建法は他にもあり、本人と形成外科医との話し合いのうえで決定しています。
   Point  形成外科の協力で乳房再建手術が可能です。

 
センチネルリンパ節生検について

センチネルリンパ節生検はCT検査などでリンパ節転移がないと判断した場合に、蛍光法(赤外観察カメラでリンパの流れを観察してリンパ節を探る方法)で実施しています。
平成24年は115人に行い、術中迅速診断でリンパ節に転移を認めてリンパ節郭清に変更した人が17人(15%)いましたが、残りの9人はリンパ節郭清を行わず、センチネルリンパ節生検のみですみました。
   Point 苦痛の少ない、負担の少ない手術も可能です。

 
補助療法について

病理組織診断の結果で、術後に化学療法(抗がん剤投与)や内分泌療法(ホルモン剤投与)あるいは分子標的療法(ハーセプチン投与)を選択します。
これらを補助療法と呼び、個々のがんの性質(サブタイプ、リンパ節転移個数など)に応じて決定します。
化学療法は外来化学療法センターで行い、特殊な事情の場合を除いて入院することはありません。
内分泌療法はホルモンレセプター陽性の場合に行われ、閉経前後で使用薬剤は異なります。
   Point 手術前後の補助療法が重要です。

 
治療法について

治療法に関してはできるだけ希望に沿うよう努めています。
   Point 乳がんと告知されたら、納得のいく説明や治療を受けてください。
   Point セカンド・オピニオンは躊躇なく申し出てください。


乳がんの治療成績について

最近10年間の年別手術数

最近10年間の年別手術数をグラフに示します。
乳房温存手術の割合は増えつつあり、全体では54.3%ですが、最近では7割に実施しています。

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   Point 乳がん手術の主流は、乳房温存手術です。

 
病理病期別の無再発生存率

平成24年末までに行った同時乳房再建手術は89人いました。
平成19年末までに手術を行い、術後5年以上経過した666人(消息不明は7人で、追跡率98.9%)について5年無再発生存率(再発なく生存している率)を計算しました。

病理病期別の無再発生存率を表に示します。
なお、IV 期は生存率を計算しています。

人数5年無再発生存率
0 期 26人 92.0%
I 期 187人 93.5%
II A 期 175人 89.0%
II B 期 111人 79.7%
III A 期 74人 70.3%
III B 期 3人 100%
III C 期 49人 40.6%
IV 期 11人 9.1%

平成24年末までに行われた乳房温存手術669人中、残した乳房の再発は15人いました。
そのうち3人が亡くなりましたが、再発が原因で死に至った人は1人だけです。
すなわち、乳房温存手術を受けた場合に残った乳房に再発する可能性は数%ありますが、それが原因で生命が脅かされることはまれです。

   Point 乳房温存手術を選択したために死に至ることはまずありません。

 
手術後の入院日数

昨年(平成24年)の手術後の入院日数を表に示します。

手術法腋窩リンパ節人数平均入院期間
乳房温存手術 センチネルリンパ節生検 68人 3.8日 1〜7日
リンパ節郭清 14人 7.0日 5〜8日
乳房切除術 センチネルリンパ節生検 18人 6.9日 5〜8日
リンパ節郭清 16人日 7.6日 5〜12日
同時乳房再建手術 10人 16.1日 13〜18日

昨年(平成24年)の術後の合併症として、血腫や感染などの創部のトラブルが4人いましたが、重篤なものはありませんでした。

   Point 乳がんの手術は安全に行われ、早期退院が可能です。


検診・人間ドックで発見される乳がん

次に示すグラフのように、検診や人間ドックのマンモグラフィあるいは超音波検査で発見される人が年々増えています。
このような画像検査で発見される場合には早期がん(0、I 期)の比率が高く、早期がんは先に記したように再発率が低く治癒が期待できます。

平成24年に自覚症状がなく検診もしくは人間ドックでの画像検査で発見されたのは41人、しこりなどに気付いて受診し発見されたのは64人で、早期がんはそれぞれ31人(75.6%)、33人(51.6%)でした。

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   Point 乳房検診を受けましょう !

甲状腺外科

外来では甲状腺腫瘍の診察や治療を主体に行っています。

手術の多くは甲状腺がんが対象で、良性の甲状腺腫瘍は原則として手術を行いませんが、がんとの鑑別が困難な場合や、大きさが4〜5cmを越えて美容的にも問題がある場合には手術を行います。
手術の前日に入院し、手術後5日で退院する人がほとんどなので、入院期間は1週間です。

開院後の手術数は、甲状腺がん112人、甲状腺がん術後再発15人、良性甲状腺疾患51人、副甲状腺疾患27人、その他の頸部腫瘤12人です。


平成25年3月1日改訂
文責:乳腺外科部長 西村 秀紀

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診療スタッフ

西村、小沢医師が主に担当しています。

西村 秀紀(にしむら ひでき)

昭和60年卒

役 職 副院長
乳腺外科部長
呼吸器外科部長
緩和ケア内科部長
心臓血管外科部長
がんセンター長・がん相談支援センター長・緩和ケアセンター長
心臓血管センター科長
資 格 日本外科学会指導医・認定医
日本乳癌学会乳腺指導医・専門医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
検診マンモグラフィ読影認定医B評価
乳房超音波検診講習会試験A判定
信州大学医学部臨床教授
専門分野 乳腺、呼吸器、甲状腺

小沢 恵介 (おざわ けいすけ)

平成6年卒

役 職 乳腺外科副部長
呼吸器外科科長
資 格 日本外科学会専門医
日本乳癌学会乳腺指導医・専門医
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 乳房再建用エキスパンダー/インプラント基準医師・責任医師
検診マンモグラフィ読影認定医A評価
専門分野 乳腺

砥石 政幸 (といし まさゆき)

平成9年卒

役 職 乳腺外科科長
呼吸器外科副部長
資 格 日本外科学会指導医・専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・がん治療認定医
専門分野 呼吸器

境澤 隆夫 (さかいざわ たかお)

平成15年卒

役 職 乳腺外科科長
呼吸器外科科長
資 格 日本外科学会専門医
専門分野 呼吸器

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外来診療日

平成29年4月1日更新

○:初・再診  ●:再診

医師名 備考
西村 秀紀      
小沢 恵介     交替制  
砥石 政幸     交替制  
境澤 隆夫     交替制  

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治療実績

主な対象疾患

乳がんを中心に乳腺疾患の治療、甲状腺疾患 ほか