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形成外科

当科の特徴および診療内容

特徴

形成外科は、体表の先天異常や外傷・腫瘍などによって生じた変形や機能障害を、なるべく正常に近い状態へと修復するのを目的とした外科学の一分野です。

具体的に対象となる疾患は、おおよそ以下のようなものです。

  • 先天異常
    口唇口蓋裂、副耳・小耳症などの耳の変形、逆さ睫毛、先天性眼瞼下垂症
    漏斗胸、出べそ、生まれつきのアザ
  • 外傷
    切創・挫創・熱傷など体表の外傷、あるいはキズアトのケロイド、顔面骨骨折
  • 腫瘍
    皮膚・皮下の良性および悪性腫瘍の摘出
  • 再建外科

    広範な外傷や悪性腫瘍切除後の再建外科、頭頸部再建、乳房再建
  • その他
    シミ、腱膜性(後天性)眼瞼下垂症、腋臭症(わきが)

治療方法のご紹介

腱膜性(後天性)眼瞼下垂症:がんけんかすいしょう

瞼を開けるための上眼瞼挙筋は、 『 腱膜 』 となって瞼の縁にある 『 瞼板 』 に付着していますが、ここが緩んだり外れてしまった状態(図1)が腱膜性(後天性)眼瞼下垂症です。
最も多い原因は加齢によるものですが、花粉症等で瞼をこする癖のある人やコンタクトレンズを長期間装用している人では、若くして眼瞼下垂症となってしまう人もいます。
『 腱膜 』 が緩んでしまって瞼を開けづらくなった人は、眉毛を持ち上げたり顎を上げて物を見るようになります。

こうした筋肉の酷使や無理な姿勢から頭痛や肩凝りがもたらされる場合があります。
患者さんがよく訴える症状には以下のようなものがあります。
・ 瞼がかぶさって視野が狭くなった
・ 長時間の車の運転やTV観賞が疲れてできない
・ 車を運転していると顎が上がってくる ・ 帽子をかぶって額を抑えつけられると頭痛がしてくる

当科では、信州大学形成再建外科 松尾教授の考案した手術法で治療を行っています。
手術法の概要は以下のとおりです。
瞼の皮膚もたるんでしまっている場合が多いので、まず余分な皮膚を切除します。
緩んでしまった 『 腱膜 』 は、糸で 『 瞼板 』 に縫い付けて固定します(図2)。
これによって筋肉の効きが良くなり、少ない力で瞼が開けられるようになります。
左右のバランスを確認後、二重瞼となるようキズを縫合します。
手術は局所麻酔で行い、一時間ほどで終了します。

術後は一旦強く腫れますが、腫れが軽減してくるとともに瞼を開けるのが楽になってきます。
瞼が原因で頭痛や肩凝りを生じている人では、これらの症状の改善も期待できます。
ただし、頭痛・肩凝りの原因を全て取り除けるわけではありませんので、過度の期待は禁物です。

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乳房再建:にゅうぼうさいけん

乳がんの治療で失った乳房を手術で作り直すことを乳房再建といいます。
当科では乳腺外科の医師の協力のもと、乳房切断術と同時に行う一期再建がほとんどですが、時期をおいて行う二期再建も可能です。

再建に用いられる材料には、大きく分けて自家組織と人工物があります。
自家組織を用いる再建法として代表的なのは腹直筋皮弁術と広背筋皮弁術で、これらは筋肉とその上の皮膚・皮下組織を栄養血管ごと移植する方法です。
なかでも腹直筋皮弁術が第一選択とされることが多く、当科でも主にこの方法で行っています。
下腹部は肌質や組織の軟らかさが乳房と似ていることや、量の調節がしやすく、鎖骨の下方やわきの下にも組織を送り込めることが、この方法が広く用いられている理由です。

一方、妊娠・出産の可能性を残している女性に対しては、下腹部の組織を利用する腹直筋皮弁術は用いるべきではありません。
その場合、広背筋皮弁術や人工物(シリコンインプラント)が適応となります。
広背筋皮弁術は、背中の筋肉と皮膚・皮下組織を移植する方法です。
非常に安全性の高い良い術式ですが、乳房とは肌質が異なることや、皮下組織が比較的薄いためボリュームが不足しがちなのが欠点です。

ボリューム不足には、次の人工物(シリコンインプラント)を併用して補う方法もあります。
人工物(シリコンインプラント)は、身体の他の部分にキズをつけたくないという人にも良い選択肢となります。
健側の乳房の大きさに合わせてサイズを選択でき、手術時間が短くて済むのも利点です。
しかし、自家組織に比べて硬く、横になっても形が崩れない、鎖骨下や腋窩といった周辺部の組織欠損は埋められないなど、いくつかの不自然さを生じるのは否めません。
それでも、パッド(エピテーゼ)を使用する煩わしさがない、温泉等で抵抗なく裸になれる、と満足されている方も多く、大事な選択肢のひとつではあります。

レーザー治療・光線治療

当科には3台のレーザー及び光線治療の機器があり、用途に応じて使い分けています。

CO2レーザー 小さなイボやほくろなどを削って取るためのレーザーです。
手術に比べ、キズアトになりにくいのが利点です。
 
QスイッチNd:YAGレーザー 青・茶・黒色の病変をターゲットとするレーザーです。
シミ(老人性色素斑など)取りや、青・茶色のアザ(太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑など)の治療、Tattoo(アートメイク、外傷性Tattooを含む)の除去に効果があります。
 
NatuLight:ナチュライト フォトフェイシャル治療を行う機器です。
顔中の様々な光老化の症状(シミ、クスミ、毛細血管拡張、小ジワなど)を改善し、キメを整え、顔全体を明るくし、素肌の若返りを図ります。
レーザーとは違って施術後に軽いやけどや赤味を生じることがないため、日常のアクティビティーを制限しません。
レーザーよりもマイルドな光による治療ですので、回数をかけてゆっくりと改善させる治療と言えます。

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診療スタッフ

滝 建志(たき けんじ)

平成2年卒

役 職 形成外科部長
四肢外傷・機能再建センター科長
フットケアセンター科長
資 格 日本形成外科学会専門医・認定医・皮膚腫瘍外科指導専門医
日本創傷外科学会専門医
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会乳房再建用エキスパンダー/インプラント基準医師・責任医師
専門分野 形成外科全般

倉島 侑希 (くらしま ゆうき)

平成26年卒

役 職 形成外科医師
四肢外傷・機能再建センター医師
麻酔科医師
手術センター医師
専門分野 形成外科

相阪 哲也 (あいさか てつや)

平成27年卒

役 職 形成外科医師
四肢外傷・機能再建センター医師
麻酔科医師
手術センター医師
専門分野 形成外科

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外来診療日

平成29年4月1日更新

○:初・再診  ●:再診

医師名 備考
滝 建志  
倉島 侑希    
相阪 哲也          

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治療実績

主な対象疾患

  • 先天異常:口唇口蓋裂、副耳・小耳症などの耳の変形、逆さ睫毛、先天性眼瞼下垂症、 漏斗胸、出べそ、生まれつきのアザ
  • 外傷:切創・挫創・熱傷など体表の外傷、あるいはキズアトのケロイド、顔面骨骨折
  • 腫瘍:皮膚・皮下の良性および悪性腫瘍の摘出
  • 再建外科:広範な外傷や悪性腫瘍切除後の再建外科、頭頸部再建、乳房再建
  • その他:シミ、腱膜性(後天性)眼瞼下垂症、腋臭症(わきが)