病院からのお知らせ

保険診療での手術支援ロボットを用いた腎臓がん手術(部分切除術)を開始しました

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長野市民病院では、2016年6月より手術支援ロボット『ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)』を用いたロボット支援腹腔鏡・後腹膜鏡下腎部分切除術を導入、11例目となる10月より甲信越地区初の保険診療適用での手術を開始いたしました。 第10例目の患者さんの手術を9月下旬に施行し、順調な経過です。
本術式は2016年4月より保険適応となりましたが、同術式を保険診療として実施するには11例目から可能となるもので、安全を第一として順調に経験を積み重ねて参りました。

当院では、2013年4月より前立腺がんに対するロボット支援手術を開始し、2016年9月末までに373名の患者さんの治療を行い、全国でも有数な治療実績を持つ施設となっております。
これらの経験も生かし、以前より行っていた腹腔鏡・後腹膜鏡下腎部分切除術と比較して切除や縫合が容易であることから、正確な手技が可能となり、より低侵襲でより高い精度の手術を実現してまいります。

本術式の適応

 小径(約4cm以下)の腎腫瘍

腫瘍の位置、合併症などにより適応とならない可能性もあります


腎がん治療の基本は摘出術です。
たとえ転移があった場合でも摘出が可能な場合は摘出術を検討します。
手術には全摘除術と部分切除術があります。
小さな腫瘍(約4cm未満)では、腫瘍とその周囲を切除し、正常の腎臓を残す腎部分切除術が一般的となっています。
正常部分を残すことにより、腎臓の機能を温存することが可能となり、またがんに対しても腎臓を全部摘出した場合と同等の効果が期待できます。
腎部分切除術の方法は、お腹を大きく切る従来の開腹術による部分切除術と傷口が小さく負担の少ない腹腔鏡(または後腹膜鏡)による内視鏡手術の選択肢があります。
内視鏡手術の利点は、傷が小さく術後の痛みが軽度であることと、術後の回復が早いこと、その後の腸閉塞などの合併症も少ない点などです。
欠点は、技術的に難しいこと、手術中の出血に対する対応が遅れる可能性がある点ですが、これらの内視鏡手術操作の欠点を補う事が可能となるロボット支援腎部分切除術が2016年4月より保険適応となりました。
ロボット支援腎部分切除術も内視鏡手術に含まれますが、手術支援ロボットを使用することにより、3D(三次元) 拡大視野により臓器と腫瘍との位置関係を正確にとらえられ、また、人間には真似できない超精密で、迅速な動きが可能となり、より安全で負担の少ない手術が行えます。
画像検査にて悪性の可能性が高いと考えられる場合には手術をお勧めしますが、小径腎腫瘍(4cm未満)では約8割が悪性、残りの2割は良性の可能性があります。
摘出することにより病理検査(顕微鏡検査)にて診断を確定することができます。

ダ・ヴィンチのメリット

 体への負担が少なく、回復の早い手術(安全性)

 人間には真似できない超精密な動きを実現(操作性)

 深い部位までよく見える3D拡大内視鏡カメラ(視野)

ダ・ヴィンチを用いたロボット支援手術は内視鏡手術の一種で、大きな切開はせず、体の数か所にだけ穴を開け、そこに内視鏡カメラや鉗子を差し込んで手術を行います。
そのため、出血量や痛みは少なく、患者さんの体への負担が少ない低侵襲手術となり、術後の回復が早いのが特徴です。
ダ・ヴィンチ手術は、現在一般的に普及している腹腔鏡下手術に比較しても、出血量が少ない、術後合併症が少ないなどの利点が報告されています。

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