これらを加齢による衰えと、見過ごしていてはいけません。
もしかしたらそれは、動脈硬化の疾患の1つ「閉塞性動脈硬化症」の症状である可能性があります。
動脈内にコレステロールなどがたまり、血管が細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)することを動脈硬化といいます。
動脈硬化が原因で主に下肢(足)の血流障害が起きている状態を「閉塞性動脈硬化症」といいます(図1)。
血液の流れが悪くなるため、足に栄養や十分な酸素を送ることができなくなるため、さまざまな障害が現れます。
図1:閉塞性動脈硬化症のイメージ(画像提供:カネカメディックス)
閉塞性動脈硬化症は、進行性の疾患であり、症状の進行は4段階に分けられます。
足に冷感・しびれ感:足先が冷たく感じる、しびれることがあります。初期のため症状に気づきにくいこともあります。
一定の距離を歩くと、足に痛みを感じ歩けなくなるが、少し休むと、また歩けるようになる間欠性跛行という症状が現れます。
ここまで進行するとじっとしていても足が痛み、夜も痛みで眠れなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。
最も進行すると、血液が届きにくくなった足先に治りの悪い化膿した傷(潰瘍)ができたり、足先に血流が全く流れなくなった場合足先が腐ってしまう(壊死)こともあり、最悪の場合、足を切断しなければならないこともあります。
少し前から足が冷たく感じる、足の傷が治りにくいと感じている方は、早期に医療機関への受診をおすすめします。
もしかしたら一過性の冷えか、もう少し経過すれば治癒する傷かも知れません。
ですが、閉塞性動脈硬化症であった場合、早期診断・早期治療が重要になります。
閉塞性動脈硬化症かを診断するために、両腕と両足の血圧を同時に測り、比率を出す検査をABI検査(上腕・足関節血圧比測定)といいます。
通常は、腕より足の血圧の方が高いので、1.0以上が正常となりますが、足の血流に異常があると1.0未満となり、特に0.9未満では閉塞性動脈硬化症の可能性が高くなります。
ABI検査の様子
ABI検査などで閉塞性動脈硬化症と診断されたら、疾患の進行度、症状、血流障害が起きている部位などを確認し、適切な処置が行われます。基本的な治療は運動療法や薬物療法ですが、さらに進行している場合には血管内治療などが選択されることもあります。
太ももの付け根などから血管が狭くなっている部分や詰まっている部分までカテーテルという細い管を挿入します。
管の先につけたバルーンで血管を広げたり、ステントという金属製の網目状の筒を留置することにより、血流を回復させる治療です。
血行再建術 血管内治療のイメージ
血管が詰まっている部分の上下に、自分の静脈や人工血管など別の血管をつないで新しい血液の通り道(バイパス)をつくる治療です。
血行再建術 バイパス術のイメージ
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