長野市民病院は、2023年1月1日に「大腸外科」を開設しました。
2019〜2020年の統計によると大腸がんのがん罹患数は男女とも2位、またがんによる死亡数は男性が2位、女性は1位となっています。
当院の手術件数は大腸がん全体で年間140〜150件、うち直腸がんは40〜50件ほどを推移しており2021年には86.1%を腹腔鏡手術で行いました。
直腸がんは大腸がんのなかでも再発しやすいがんであると同時に、術後の排便機能が生活の質にかかわることから外科医の知識と技術がより高度に求められます。
当院の年齢別罹患率をみると働き盛りの患者さんも多く、直腸がんでは男女とも60歳以下の方が約25%を占めていました。
長野市民病院は「がん診療連携拠点病院」として大腸がんの治療に注力してまいります。
大腸外科部長 髙田 学
以前は骨盤の奥の直腸がんは開腹手術で行っていましたが、時代は腹腔鏡からロボット手術に入りました。
コンソール(操縦席)に座り、3D画像で立体的に見て先端のぶれが少ない鉗子で長時間の精緻な手術に向き合えるのは、ロボット手術に期待されている一面です。
大腸外科では、日本内視鏡外科学会の技術認定医資格を持つ医師がすべての手術に術者か指導的助手になり、手術の質管理を行っています。
また、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)もおり、人工肛門を造設した方へのストーマケアなど人工肛門管理について専門的に行っています。
大腸外科は手術だけというわけではありません。
抗がん剤治療(化学療法)にも係わるため抗がん剤の知識も必要です。
「手術後、病理検査の結果によって行う再発予防の化学療法(補助化学療法)」と「手術だけでは根治できない患者さん、手術後再発された患者さんへの化学療法(進行・再発に対する化学療法)」を分けて考えています。
当院では2021年度、再発予防74人、進行再発77人の患者さんに治療を行いました。
副作用(有害事象)は薬剤や個人によってさまざまで、科学的データだけではなく患者さんの望むことを相互的に情報交換し方向を決めていくShared decision making(シェアード ディシジヨン メイキング:SDM)の理念が大切だと思っています。
進行・再発大腸がんの患者さんを診療するということは、死や生命倫理と関係することを避けられません。患者さんの希望や価値観に配慮した治療方針を決定することが重要であり、がんと診断された初期の段階から治療と並行して行う「緩和ケア」のアプローチも必要になります。
北信がん診療・緩和ケアネットワークの一員として医療者同士が顔の見える連携をとり、地域全体でSDMに応える方向での活動を10年以上続けています。
1991年卒
役職 | 大腸外科部長 |
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資格 | 日本外科学会 指導医・外科専門医 |
専門分野 | 消化器、大腸 |
2000年卒
役職 | 大腸外科副部長 |
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資格 | 日本外科学会 外科専門医 |
専門分野 | 消化器、大腸 |
2024/04/01 更新
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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○髙田 学 ○林原 香織 |
○関 仁誌 ○髙橋 祐輔 |
○佐近 雅宏 ○平野 翔平 |
○小林 聡 | ○小林 亮一郎 ○関 仁誌 |
○:初診担当 / ◎:完全予約制 / ◆:紹介のみ / ▲:紹介、救急のみ / ▼11時診療開始
☆:午後のみ / ★第3週のみ / △:第2木曜日休診 / ◇:午前のみ
実績は消化器外科のページをご覧ください。
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