医療は近年、“医療サービス”という枠で位置付けられる傾向にあり、“究極のサービス業である”と言う病院経営者もいます。
その中で看護は、主に医師が提供する診療行為と共に医療の中で極めて重要な位置付けにありますが、長野市民病院看護部では、より“質の高い看護”を提供させていただくことによって、“看護で選ばれる病院”を目指しています。
では“質の高い看護”とはどのような看護でしょうか。確実な看護技術に基づく安全で安心な看護、患者さんやご家族の立場を理解した良好なコミュニケーション、適切な倫理的判断に基づいて提供される看護、整えられた療養環境など、多くのいろいろなファクターがあり、一言で定義できるものではありません。
そこで私たちは、独自の評価基準を設けて、様々な視点から、本当に質の高い看護が実践できているかどうかの評価を実施したり、倫理的判断を養うためのケーススタディやその他幅広い教育活動などを通じて、看護の質の維持向上に努めています。
前文にもありますように、“看護の質の高さ”は、その性質上、一言で定義できるものではなく、客観的に示すことは難しいと考えますが、何かによって看護の質を表わしたい、どうすれば質の高い看護が提供できるのかということについて検討を重ね、私たちが患者さんに直接的に行うひとつひとつの行為である看護ケアの質を測り、それを基にケアの質を高めていくことからまず取り組むこととしました。 具体的には、当院の看護部の理念に基づいて、ケアを構成する側面を考え、「安全」、「エビデンスに基づく」、「患者さんの意思の尊重」、「看護のインフォームドコンセント」などの側面から評価を実施するための評価表を作成しました。これにより看護のケアの質を客観的に把握できるようになるとともに、今後は、スタッフ一人ひとりが、評価表に掲げたケアを構成する側面を常に意識しながら患者さんに関わり、それによって、少しでも質の高い看護が提供できるよう努めてまいります。
患者さんに行われた看護ケアが適切に行われたかを評価し、看護ケアの質の向上を図る。
厚生労働省より示されている、「新人看護職員研修ガイドライン」中の看護技術69項目より、ケアの選択を行った。
また、当院の看護基準をもとに新人看護職員研修ガイドラインに示されている看護技術を支える3要素の側面より評価できるように当院独自のケア評価表を作成した。
(長野市民病院看護部
看護の質向上委員会作成)
医療技術の進歩や人々の権利意識の高まり、価値観の多様化等により、私たち看護職は、多くの倫理的問題に直面するようになっています。看護職が専門職としてより質の高い看護を提供するためには、深い知識と確実な看護技術だけでなく、高い倫理性が不可欠です。 この高い倫理性を養うために、当院看護部では、個々の看護職員が倫理的感受性と倫理的行動力を高めること、倫理的問題に直面した時に、課題を明らかにして解決に向かうよう話し合える風土を作ることを目標とした取り組みをしています。
個々の看護職者が、臨床現場で倫理的観点から物事を捉え、問題を顕在化させ検討することができる。
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